右遠俊郎著 『青春論ノート』

部屋の掃除をしていたら大学時代のノートが出てきた。

右遠俊郎著『青春論ノート』は、大学時代に図書館で偶々手に取ったものだった覚えがあるが、当時感動したのだろうか。理由は覚えていないが自分のノートに書き留めていた。

右遠俊郎著『青春論ノート』1979.青木書店 より

青春の本質は、その内的生命の弁証法的発展の法則性にあり、その発展過程での発光と溶暗の交錯にある。したがって青春は輝きの季節でもあり、失明の季節でもある。というのは、内的生命が、外的条件が加わらないかぎりは自らはおのれを変えることのない自己完結的な物の存在に対して、つねに自己喪失の危機におびえ、だからこそ生命でありつづけようとする自己補完的な存在であるからだ。
その過程には、栄光と苦悩が、あるいはヴェルレーヌがいうように、べつに「選ばれて在る」わけではないけれど。「恍惚と不安と双つ」ある、といえるかもしれない。

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